10月1日のブログで
チベットの若者達が、お香の製作を指導してほしいと
アムチに弟子入りを志願した話をUPさせていただきました。
(参照→
立ち上がる若者達)
あれから2ヶ月。
アムチの厳しい指導の下
若者達は本当に懸命に
お香作り取りに組みました。

若者達の熱意に打たれたアムチは
足しげくボダナートへと通いました。
一切を無償で続けるアムチの菩薩行には、
本当に頭が下がります。

今ではアムチの指示を仰がなくても
自分達で、全ての工程をこなします。
お香の香りをチェックするアムチ。

幸いなことに、このほど台湾のチベット寺院より
20,000箱のオーダーを頂きました!
彼らの真剣な思いと、真摯な態度が
引き寄せた成果だと思います。
まだまだ未熟ではありながら
ご信頼くださり、発注を下さったゴンパの皆様に
心より、御礼申し上げます。みんな、やる気満々!!持ち得る限りの最大の能力と努力で
最高のお香を収めさせていただく所存です。
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ある日、突然6人のチベット青年が、アムチを尋ねてきました。
「伝統的なチベットのお香の製法を、教えて欲しい。」
との申し出でした。
みんな一度は、TCV(
チベット子ども村)に在籍したチベット難民ですが
彼らのこれまでの経歴は様々です。
ある青年は、TCVを最終学年まで卒業したエリートで
流暢な英語を話します。
あるものは、TCVを成績不良で除籍され
最後まで勉強を続けることが出来なかったと言います。
ただ彼ら6人に共通しているのは、
「自分達の手で、自分の未来を切り開きたい。」という
熱い思いにあふれていることでした。
学歴のないものには仕事はなく
学歴のあるものは、その学歴ゆえに
仕事をより好みし働かない…
それがネパールの若いチベット難民の現実です。
境遇の不幸さや生活苦を、全て他へ責任転嫁し
現実と向き合わないチベット人の若者の多さに
「スキルを磨いて、自分自身で人生を変える転機にして欲しい。」
そう思って設立したのが、TCPのトレーニングセンターでした。
しかし、やる気を持続し続けることが出来る若者が
そんなに多くはないということも
悲しいけれど、私達の前に差し出された現実でした。
そんなところへ
6人の若者はキラキラした目でやってきて
アムチに指導者になってくれるように懇願するのです。
昨今の心根の悪しき若者達に、心底怒っていたアムチは
驚き、感激し、惜しげない協力を申し出ました。
それから丸5日にわたり、アムチの講義は終日続きました。
材料の選び方から、お香の製造過程、
アムチとしての経験から得た細かな知識まで
あらん限りの知恵を、この若者達に教え込みました。
今、若者は、自分達でお香の製作を始めています。

ブロック積みの壁に、トタンの屋根、照明も電気もない小さな場所ですが
彼らは自分達の手で、何もかもをまかない
真剣にお香作りに取り組んでいます。

アムチも足しげく通い、
その様子を見守り、指導しています。
お香のチェックをするアムチ。

乾いた風が吹き始めるこの時期から2月までが
お香の製造のベストシーズンです。
若者達の熱い思いの上に、
薬師如来様のご加護がありますように。
TCPの語学教室は、土曜を除く毎日
・英 語 6:00~7:30
・チベット語 7:30~9:00
と言う時間帯で、授業が行われています。
こちらは、英語の授業風景。

子どもや、お坊さんも習いに来ています。
みんな真剣です。

初めはそれぞれの席について勉強しているのに
結局、いつもこうなります。

だんだん生徒がせり出してきて
先生のところに、集中してしまうのです。
授業のあとは、生徒同士で自習の時間。

さりげなく窓際にたたずむ、アムチの姿も見えますね。

語学教室の隣で、診療所を6:30AMから開院しているアムチは
患者さんのいない隙をねらって
語学教室に潜入しています(笑)。
本当はきちんと授業を受けて、英語を習いたいのだけれど
患者さんが次々に診察に来られるので
毎日授業を受けるのが無理なのでした。
アムチの診療所は、正午までで閉院します。
なぜなら、チベットでは「朝の脈」がよいといわれており
チベット医学は一般的に、
このよき脈の時間帯に、診断するものだからです。
8月は、夏休みシーズンということもあって
何組かの方々が、TCPをご訪問くださいました。
以前より、熱心にブログを読んでいただき
アデノウイルスの時には、
対処の仕方から、薬の手配まで
すっかりお世話になった、眼科医の松山先生が
看護師さんとともに、クンデ・ハウスをご訪問くださいました。
みんなで記念撮影。

子ども達、すごく嬉しそう!!ピースとかまでしちゃってますね。
松山先生は、アジア眼科医療協力会のお仕事で、
ボランティアとして、チベット寺院「ナモ・ブッダ」で
アイキャンプという眼の治療をするために
たびたびネパールに、お越しになっています。
ナモ・ブッダは春の巡礼遠足の時
ジャータカの聖地として尋ねた場所にあるチベット寺院です。
実際にお尋ねいただくまでは
メールのやり取りをさせていただいており
お医者様としての的確な采配ぶりに
「きっとベテランの、年配の先生に違いない。」と思っていたのですが
何と、すごくお若い先生で、びっくりしました。
松山先生は、子ども達に
とっても嬉しいプレゼントを下さいました。
それは…
長靴!スワヤンブナートでも、ちょっと外れに位置しているクンデ・ハウスは
学校までの道のりの半分以上が、舗装されておらず
何日も雨が続くと、泥にまみれて登校しなければならなかったのです。
雨期の到来とともに
長靴の購入を検討しましたが
子ども達の医療費が予想以上に掛かっている事もあって
迷いに迷った挙句、今期の購入を見送るという決断をしていただけに
本当に、すごくタイムリーで嬉しいプレゼントでした。
早速、名前を記入。

「うれしー!!」

「これ、靴下がグチョグチョにならないんだ。」

装備、完了!

では、行ってきます。

長靴を履くのが、初めての経験なので
一歩一歩、慎重に歩いています(笑)。
松山先生を初め
TCPをご訪問くださった皆様
遠いところをお越しいただき、ありがとうございました!是非また、お越しくださいね。
子ども達の満面の笑顔が
皆様を、お待ちしております。