アパーと一緒に
子ども達が遊んでいます。

むむむぅ!
このゲーム、見覚えありませんか?
そう、9月17日のブログでご紹介した
アパーお手製のゲーム版です!
ちなみに

↑9月17日の状態が、こちら。
色が塗られて、素敵になっているでしょう?
格段にレベルUPした仕上がりですね。
子ども達、ただいまゲームに夢中です。
これまでのクンデ・ハウスの遊びは
こんな感じでした。
例えば、「おせんべい焼けたかな?」。

子ども達がみんなで手を出して
端から順に「おせんべい焼けたかな?」
という歌を歌いながら
指をはじいて行きます。
歌が終わった時点で、
指がはじかれた人が、負け…というお遊びです。
こちらは、石のおはじき。

形のいい、お気に入りの石が
自分のおはじきになります。
集中力も出てきたので
知育の観点から、複数の子どもが一緒に考えて参加できる
ゲームなどの遊びも、考えてゆきたいと思います。
ただ、このようなご報告をすると
「ネパールってつくづく、ものがないのね~。」
と思われることと思います。
もちろん、日本のように恵まれてはいませんし
完成された「ゲーム」が売られてもいません。
でもこのように、ものがないならないなりに
遊びはありますし、考えたり工夫したりする余地があります。
日本のゲームはコマが1つなくなっても困りますが
アパーの作ってくれたゲームは、
全く同じコマを、手軽に作ることが出来ます。
修理したり、発展させたりすることも可能です。
電気がなくても、動くものばかりです。
これからも工夫して
ゆっくりと遊びを創造し
本当の意味で「生きる知恵」のある子ども達に
なって欲しいと思っています。
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代表が逝去されてから49日の間、
常に2人のラマが代表の部屋に詰めて
お経を上げました。
仕事を終えたアムチも、夜には毎日参加していました。
8日ごとに、大きなプジャが行われました。
時には30名以上のラマがお集まりくださり
盛大なプジャとなりました。

8日目ごとの、大き目のプジャ。

それはこのネパールにおいては、
大きな僧院の有名なラマでもない限り
ありえないような参加者の数でした。
亡き代表の人柄を偲んで、お集まりいただいたのでした。
ありがたいことです。
プジャのたびに、
お供え物のお菓子のお下がりがもらえるので
子ども達は無邪気にも、
ちょっと嬉しそうな様子でした。
お供え物。

「さあ、お供え物のお下がりだよ。」とアムチ。

みんなに分配中。

代表が息を引き取られたのが8月9日でしたので
その日から数えて49日目である9月26日が
「49日」だとスタッフ達は思っていたのですが
改めてリンポチェの元に行き、お伺いを立てると
心停止で倒れた時点が、代表の死であるとの判断でしたので
49日は9月20日となりました。
この日までの、チベット暦で定められた日に
荼毘に付した代表の遺骨をまぜて、
アムチが13個のツァツァを作りました。

途中で電話が掛かってきたりして

どうするのかと思ったら、出てるし…(苦笑)。
バターランプも、49日の間
絶え間なく灯されました。

49日目のプジャの様子。

その後、ツァツァを川へと流しに行きました。

これにてプジャは終了しました。
前代表がどちらに転生されるのかを、
チベット本土の有名なデロク
(変性意識状態で冥界に行くことの出来る行者)
に見ていただいたところ
「既に、阿弥陀浄土にいる。」との事でした。
トータルで16年間の行に励まれた方だけあって、
既に涅槃を得られたのでした。
また、この世での最後の生活において
TCPの代表をお引き受けくださったことを
大変ありがたいことであったと
改めて感謝をしています。
アムチとアニが、帰国を明日に控えた夜、
現地から電話が入りました。
代表危篤の知らせでした。
状況は非常に悪くなっていました。
人工呼吸器で生命を維持している状態だとの報告でした。
現地でリンポチェ(高僧の転生ラマ)からは
「もうすでに、魂は肉体を離れている。
無駄なことをしてはいけません。
呼吸器を外しなさい。
きちんと逝かせなさい。」と伝達されたとのこと。
ただこれまで、事あるごとに代表の元を訪れ、
様々な悩みを打ち明け、
たくさんのアドバイスを受けていたアムチは
どうしても、代表の死に目に会いたいと強く思っていました。
これまで大切な人の死に、
ことごとく立ち会うことが出来なかったアムチは
どうしても今回だけは見送りたいと、言い張りました。
チベット医学を修めたアムチが、
死に際してこれほどの執着を見せることは
予想外の事でした。
ましてや、リンポチェから
呼吸器を外すようにとのお達しが出ているのに
それをとどめる指示を現地にするなんて…。
実は…と、アムチはこんな話をしました。
「日本に来る前に、代表の部屋に行った時、
『もう何もやり残したことはない。いつ死んでもよい。』 って突然おっしゃったんだ。
驚いたよ。
だって今まで一度だって自らの死について
発言されたことなんてなかったからね。」
もしも代表が心停止で倒れられた時
アムチが現地にいたら、
あまりに深く代表を慕うあまり
さすがに少し、取り乱していたのではないかと思うのです。
「だからこそアムチが、初めて海外へ出たこのタイミングを
選ばれたのかも知れないね。」
そう、加藤と石川は二人で話しました。
ただ、これはさすがにアムチには言えませんでした。
日本を定刻に発った飛行機は、
途中デリーを経由し、
4時間遅れでネパールに着きました。
空港から直接病院へと向かうアムチ。
病院に到着した5分後、
代表の呼吸は、静かに止まりました。
それは呼吸器を外して
1日半以上が経過してからの出来事でした。
アムチはずっと加藤や石川には
「自分が戻るまで、呼吸器は絶対に外さないように指示した。」
と言っていましたが、
実際はリンポチェのお言葉のあった時点で、
呼吸器を外すようにと伝えていたのでした。
病院の先生からは呼吸器を外したらすぐにでも、
呼吸は完全に停止すると伝えられていたのに、
2日近くも代表は、自力で呼吸をされたのでした。
そこに立ち会った誰もが
代表は、アムチの思いを汲んで
その到着の時まで
肉体にとどまられていたのだ…と理解しました。
そうしてこの日から、49日間にわたるプジャ(儀式)が始りました。
→続く
8月に逝去いたしました
TCP前代表:ケンポ・ペマ・ジャムヤンが
どのように涅槃へ旅立って行ったのか
その詳細を数回に分けて、お知らせしたいと思います。
それは本当に突然の事でした。
8月5日早朝、加藤の携帯電話が鳴りました。
神奈川の実家からです。
「昨晩何度もチベット人らしい人から
電話が掛かってきたが、何を言っているのか分からない。」
8月5日は、来日中のアムチとアニを連れて、
善光寺さんにご挨拶に上がるため
前日から石川も一緒にみんなで
合宿状態の一夜を、東京で過ごしていました。
「何があったのか?」
国際電話を何度もかけてくるなんて
よっぽどの重大事です。
不安がよぎります。
「実は俺…、昨日すごく嫌な夢を見たんだ。
妹が死ぬ時に見た夢と、同じ夢だった。
とにかくすごく嫌な夢なんだ。
もしかして、誰かが…。」
アムチが沈んだ声で、打ち明けます。
「こういう時の俺の夢は…当たるんだ。」
とにかく、こちらからも
何度も現地に電話をしますが、つながりません。
「どうしよう?一体何があったのか?」
不安を抱えたまま、昼前に長野へと到着。
あらゆる番号に電話をかけ続け、
やっと電話が通じました。
つながった相手は、
アムチが下宿している家の大家さんの娘です。
「昨日、代表が倒れました。心停止です。病院に運びました。」
途切れ途切れに聞こえる声。
通話状態が悪く、なかなか全貌がつかめません。
「で、今の状況はどうなのか?」
でも病院に直接行っていない娘さんでは、
それ以上の事は分かりませんでした。
ほどなくして、アパーから電話が掛かってきました。
「代表は昨日突然倒れられ、心臓が停止し、
あわてて病院に運びました。
一命はとりとめ、現在は会話も可能な状況です。」
とりあえず、ほっと安堵のため息が漏れます。
ゆかりの方々やアムチの友人達のご協力により、
代表はネパールで一番良い病院へ
入院させてもらっていました。
すぐにでも手配をして、
ネパールに帰る準備に掛かろうかと考えていたのですが
ひとまず、会話も出来るくらいなら安心です。
入院保証金も、ご協力者の皆さんが
立て替えてお支払いくださっているとのこと。
いずれにしろ、帰国日は後3日。
それぐらいならば、大丈夫だとの結論に至りました。
みんなに笑顔が戻って、
無事に善光寺さんに伺うことができました。
→続く
TCPサポーター会員の皆様には、
8月11日送信のメールにて
既にお知らを、させて頂いておりますが…
8月、TCP代表ケンポ・ペマ・ジャムヤンが急逝いたしました。
一昨日、49日法要をネパールにて終えましたことを
ここに、ご報告させていただきます。

プジャに奉げられた、たくさんのバターランプ。
また同日、現地施設にて、新しい代表の任命も行い
後任は、カルマ・カギュ派のケンポ(指導責任者)
ケンポ・ドルジェ・ツゥプテンに
お引き受けいただくと事なりましたことも
あわせてご報告させて頂きます。

9年の行を完了された、非常に立派な方です。
玉樹の出身で、亡命して20年になります。
前代表の親友でもいらした方です。
TCPスタッフにとっては、
何もかもがあまりにも突然の事でしたが
生きとし生けるもの全ての幸福を願い
一心に祈りを奉げておられた前代表の意思を引き継ぎ
揺ぎ無い心で、
益々たくさんの笑顔のために活動したいと思ってます。
チベタン・チルドレンズ・プロジェクト
アパーは本当に器用です。
いろんなものを、
そこにある材料だけで、きれいに作ったり
壊れたものも、工夫して直してくれます。
柄が壊れたフライパンを修理中。

痛んでしまった柄の部分を
新たに木材で製作してます。
こちらは、子ども達のために作ってくれたボードゲーム

日本の双六のような遊びです。
こういった遊具は
これまでクンデ・ハウスにはなかったので
みんな興味津々。

クンサン、駒の動かし方を悩み中。
いつか大きくなったとき
板一枚から、皆で遊べる
素敵なゲーム版を作ってくれた
アパーの愛情や
そのゲームを
ワイワイ言いながら大いに楽しんだ時間を
懐かしんでくれるといいな…
なんて思っています。
クンデ・ハウスでは時々
とてもユニークなトゥクパを作ります。
その名も「おみくじトゥクパ」。
子ども達が楽しんで、たくさん食事を食べるようにと
アパーが工夫して始めてくれたものです。
今では子ども達も手伝って、一緒に作っています。
中に入れるトゥクパを
月・太陽・経典、ほら貝、ペン、卵、帽子などの形にしたり
丸くこねたトゥクパの玉の中に
塩、白紐、羊の毛、黒ひもなどを入れたりもします。
これらのおみくじトゥクパには、
それぞれ意味があります。
カンドはこの日、
黒い紐と、塩入りのトゥクパに当たりました。

意味は…
黒紐=心根が黒い
塩入り=大凶
だそう…。
あれれ、何だかこの日はついていないカンドちゃん。
子ども達、どんなトゥクパが入っているか
見逃さないように、必死に探しながら食べてます。

写真の手前の器は、加藤のもの。
レンゲの上に置かれているのは「卵」のトゥクパ。
その意味は…
「子宝に恵まれる!」だそう。
うんうん、確かに
多くの子どもに恵まれております(笑)!
そのほか
ペン=勉強が良くできるようになる
太陽・月=大吉
なんだそうう。
このようなトゥクパは
ロサルの際に、特別に作る地方がありますが
子ども達は、おみくじトゥクパだと必ずおかわりするので
みんながたくさん食べるようにと
アパーが時々、リクリエーションとしてやってくれています。
アパーの工夫には、脱帽!です。
前回UPした、子ども達の宿題の様子の写真…
TCPのスタッフ達は、本当に感慨深く
この写真を眺めています。

クンデ・ハウスに来た当時
誰も本土で教育を受けた子はいませんでした。
親を知らずに育った子ども
家庭環境に恵まれず、大変な苦労をしていた子
食べることにも事欠いていたため
教育に触れる機会などなかったのです。
今だから言えることなんですが…
子ども達をTCPに迎えた当初
加藤と石川は、子ども達を見て
自分達のやろうとしていることは、途方もないことなんだと
感じざるを得ませんでした。
何もかもが初めての環境の子ども達。
綺麗な本を与えても、おもちゃを与えても
その全てを粉々に破壊して
投げ合って、挙句に窓の外に向かって捨ててしまいました。
この動物的とさえ表現したくなるような行動をとる彼らを
一体、どんな風に導いてゆけば
子ども達にとって、最良の人生になるのか?
悩みました。
でもどれだけ考えたって
将来的に何が最良な選択となるのか
今の時点では、誰にも判断できません。
その時、その時で、スタッフが悩みぬいて
「子ども達にとって最良」であると出した結論を
信じて手探りで進んでゆくしかないのだ!
そう思うことにしました。
そうすることしか出来ませんでした。
そうしてやっと、1年半が過ぎました。

今、子ども達は意欲的に勉強し
何人かは成績優秀で表彰されたりしています。
チベット語も、ネパール語も、英語も
こんなにスラスラ書けます。
数の概念さえなかった彼らが
今は算数の計算問題をこなします。

夢など持つこともなかった彼らが
将来の職業について語ります。
本当に教育って素晴らしい!子ども達の変化を見ていてそう思います。
入居当初と比べ、精神的にも、とても安定して来ました。
嘘もつかなくなり
アパー、アマーの言うこともきちんと聞くようになりました。
どの子も、安心して生活していることがよく分かります。
子ども達の成長と変化を見ていると
自己満足かもしれませんが
本当に良かった…と嬉しくなります。
スタッフ同士で、子ども達の将来について話すことがあります。
思春期になって、反抗的な態度で
「TCPになんて、来たくなかった!」
なんて言う子が、もしかしたらいるかもね…
と話したりもしています。
その時は、素直に「ごめんね。」と言うもりです。
「だけど私達は、
ご縁があってあなたが来てくれて、すごく嬉しかった!」
とも言います。
それが偽らざる、正直な気持ちだからです。
でも、さらに時間が流れて
今のスタッフ達と同じ年代になった時
私達が、未熟ながらもやろうとしていたことの意味が
少しは理解してもらえるのではないかと思っています。
もしも理解してもらえなくても
それはそれで、全く構いません。
ただスタッフ達は、
日々、自分に出来ることのベストを尽くし
仏教的な教えに基づいた行いを
実践しているだけなのですから。
子ども達の成長や
アムチの無料診察で、健康を取り戻されるご老人
あるいは、語学を覚えて、希望を見出す難民の若者
「彼らが変化して行く輝きに満ちた瞬間」を共有できることに
心から感謝しています。
ご支援くださる皆さん、
いつもありがとうございます!
みんながそれぞれに
宿題をやっています。
サンモはチベット語の宿題。

もうこんなにチベット語が書けるようになりました!
すごい!!
カンドはネパール語の宿題。

スラスラ書いています。
クンサンは英語の宿題。

随分、単語を覚えた様子。
ダワは算数の宿題。

問題数の多い、計算帳。
こちらは1人、宿題の終わらないチミ。

哀愁の漂う背中…。
宿題が遅い言い訳を、
必死にあれこれと訴えています(笑)。

涙目のチミ…。
女の子達が、あんまりスラスラ宿題をやるので
いつも居残ってしまうチミ。
でも、スピードは問題じゃないんだよ^^
「自分でやった。」「理解できた。」ってことが大事だからね。
最後までやり切ろう!という態度は
とっても偉いよ。
サポーターさんよりご寄付頂いたお洋服を
来日したアムチに持って帰ってもらいました。
みんなで試着大会!とっても素敵なデニムで、ボーズをとるチーム・クンデ・ハウス☆

こちらは、カワユス女子達の照れた写真です。

ワンピース、ちょっと恥ずかしいらしいです♪
こちらは、いつもの元気な感じでポーズv

素敵なお洋服をありがとうございました♪
女子達、
大興奮!でした。
でもやっぱり、悪性の風邪の影響で
みんな痩せちゃいましたね…。
本当にひどい風邪で食事が取れずにいたのです。
現在は、一番最後の感染者、加藤と息子のジグメが
食事も取れぬ状況に陥っています…(涙)。
学校では、一時は低学年のクラスの2/3が
風邪のためお休みと言う状況でした。
今年の夏は、本当に寒くて
風邪が猛威を振るうネパールです。