本日は、TCPスタッフの退職と
新しいメンバーについてお知らせをいたします。
これまで2年半にわたって、
クンデ・ハウス専属スタッフとして活躍してくれた
クンチョック(アパー)と
トゥンレイ(アマー)は
この度、TCPを離れることになりました。

クンチョック

トゥンレイ
今年の8月にアパーより
「自分たちだけで、外の世界で生活してみたい」
との申し出がありました。
手先の器用なアパーは裁縫を覚え、
それを一生の仕事としたいのだと打ち明けてくれました。
息子テンジンのためにも、自分の腕で家庭を支える
専門的な仕事がしたいとの希望でした。
二人のこれまでの経歴は、
子ども達の教育に寄与してくれる部分も多く、
TCPとしても失うのが惜しい人材です。
特にクンデ・ハウス専属のスタッフが、
短い期間で交代することが
子ども達に与える影響を考え、
なるべく長く勤めて欲しいとも思いました。
しかし一方で、
亡命者の中には、援助慣れしてしまい
自立心を失う人も数多くいる中で
こうして自分達の力で生きてみたいと
強く決意することは
とても立派で、応援したいとも思いました。
8月からの長い話し合いの結果
今月、二人はTCPを離れて
新たな生活を切り開く事になりました。
大きな決意をした二人が
これからもますます幸せでいて欲しいと
願っています。
アパー、アマー、
これまで本当にありがとう!!またこれに伴い、TCPでは
新たに2名のスタッフを、
クンデ・ハウス専属スタッフとして
採用することにいたしました。
ダワとプトゥンという名前の、ご夫妻です。

新しいアパーのダワ。
とてもいい笑顔!

新しいアマーのプトゥン。
ともにチベットからの亡命者で、
8歳になる男の子がいます。
亡命後、様々なご苦労をされたようで
そのため、我慢強く、真面目で細やかなことに気づき、
働き者で、とても子ども達に優しいです。
TCP代表の推薦で、現在は仮採用として、既に働いてもらっています。
子ども達との相性や仕事ぶりをみて、本採用したいと考えています。
クンチョックとトゥンレイが
居なくなるのは寂しいことですが、
この二人が自分たちの力で、
未来を切り開きたいと大きな決心をしたことは
心から喜びたいと思っています。
これからも様々な変化が起こると思いますが、
その度ごとに、しなやかに前向きに
進んで行きたいと思っています。
以前もご紹介した「お買い物ごっこ」。
現在、クンデ・ハウスでブームです。

「いらっしゃいませ~♪」
色塗りして切り抜いた、
紙のお金を使い
半分はお客さん、半分は売り子さんになって
お買い物スタート!です。

正座して緊張の面持ちで、お客さんをお迎えするイシ。
時計、傘、アイスクリーム、きのこ、おにぎり
はさみ、ぬいぐるみ、花束、木
コップ、Tシャツ…
ここには、何でもあります。

今のところ3日連続で、
お店が開店しています。
夏の前に、庭に植えたサツマイモ。
これまで大事に大事に育ててきて
やっと収穫を迎えました!!
みんなで芋ほり中。

加藤が日本に一時帰国中
アムチはもしかするとうっかり
水遣りを忘れてしまうかもしれないので
一番しっかり者の、イシとヌモに
「水遣り」を呪文のように何度もお願いして
大事に、大事に、本当に大事に
育てた甲斐がありました。
苗はネパールで頂いた、日本の金時芋です。
こんなにたくさん育ちました。

ネパールにも地元品種のサツマイモ(もどき?)がありますが
ひとくち口にすると、残念さでがっくりしてしまうほど
やっぱり日本のサツマイモとは、違うのです…(涙)。
日本のサツマイモは
甘くてホクホクで、本当に美味しいですよね♪
最近は日本からの農業技術支援で
さまざまな野菜や果物が
ネパールでも栽培されるようになりました。
日本の指導で育てられたものは
味が濃くてとても美味しいです。
つくづく、日本の技術力ってすごいです。

収穫に、ニコニコのタシ。

長いサツマイモを掘り当てて
とても嬉しそうなクンサン。
収穫に感謝して、みんなで美味しく頂きます!
苗をご提供下さり、ありがとうございました。
ティハールのお休みの間に
ギュマ(腸詰め)を作りました。

ギュマはチベットでは
とっても豪華なご馳走です!!
本当のギュマはヤクの肉で作るのですが
ネパールでは、ヤクが手に入らないので
水牛で作りました。

みんなTCP来て、始めてのギュマに大騒ぎです。
今日のギュマは全部、アムチがご馳走してくれました。
ありがとう!アムチ。でも、チュインは…

肉が苦手なので、食べられず
代わりにヨーグルトをたくさん食べました。
10月24日から始まった、
ネパールのヒンドゥー教徒のお祭り「ティハール」。
ティハールの期間は、
またまたネパールのほとんどの機関が
1週間ほどお休みになります。
ティハールは、ヒンドゥー教徒にとっては
まさに日本のお正月のような感じです。
豊穣と幸運の女神であるラクシュミを
それぞれの家庭に招き入れるため
家中を綺麗に掃除して、家の入り口には
たくさんの灯りを点して、目印にします。
新月の夜には
美しい灯りが、各家庭にたくさん点されるので
「光の祭典」とも呼ばれます。
新月の夜、各家庭に点された
美しい灯りを、屋上からみんなで見学。

いくら灯りが美しい特別な夜だと言っても
もちろん、日本と比べると、かなり暗いです^^
「あ、あそこ見て!」

ティハールの灯りは、趣向をこらした素敵な飾りつけで
目を引くものが多いのです。

ネパールもずいぶん寒くなってきました。
皆さんも、お風邪など召されませんように!
乾期に入って、乾燥した風が吹く10月~2月は
お香製作のベストシーズンです。
今から2年前、青年達の熱い意思に打たれ
アムチが無償の協力を申し出て
TCPサポートのもと始まった
青年の自立のための、お香の製作プロジェクト。
■2009年10月1日ブログ
「立ち上がる若者達」■2009年11月22日ブログ
「立ち上がる若者達のその後」■2011年2月18日ブログ
「お香の製作」 あれ以後、順調に
台湾、及びアメリカからの発注を頂き
若者達は、自分たちの力で自立した生活を送っています。
今年も、アムチがこだわった
厳選された材料を仕込みます。

今日はアパーもお手伝い。
電力を使わず、機械を手で動かして
練ったお香を細く形成しています。

これを手で、1本1本板に並べて
両端を切りそろえ、乾燥させます。
本当にこだわりを持って
手間をかけて製作したお香なのです。
若者達の製作したお香が
来年もたくさんの国々に行き渡って
人々に喜ばれますように。
そしてその結果として、彼らが自立し
チベットの伝統を守り
チベット人であることに誇りをもって
生きて行けますように。
どうか今年も
観音菩薩様のご加護のもと
良いお香が製作できますように。