アムチの見た悪夢 2


一昨日UPしたブログ「アムチの見た悪夢」に関して
複数のサポーターさんから「大丈夫ですか?」とメールを頂きました。
ご心配を頂き、ありがとうございます。

しかしこればっかりは、
気軽に「大丈夫」とお答えすることもできず…。

加藤が早速、代表に連絡を取って、事の顛末をお伝えしたところ
数日前にお亡くなりになった方のお見送りで忙しく
49日までは、プジャが出来ないとの事。
そこで、他のゴンパ(寺院)にお願いできないかと
いくつか連絡を取ってみたのですが
どこもロサル(チベット正月)前で忙しく、
ロサルの後なら、プジャ(祈祷)が可能との事でした。

加藤も石川も、気持ちの上ではかなりドキドキな状態なので
一日も早く、プジャを執り行いたいのですが
ちょっと時期が悪い様子。

そこでアムチに
「どうしたらいい?一刻も早く、プジャやった方がいいよね?」と
食い付き気味に相談したら…

「うーん、ま、大丈夫じゃない?」との返事。

えっ!?
昨日はあんなに焦ってたよね!?
顔、真っ青だったよね???

そう、
こういうすぐに忘れて受け流してしまう感じ、
チベット人の特徴です。
チベット人の特徴と言い切ってしまうと失礼なので
カムパ(カム出身者)の特徴と言っておきましょう。

そうなんです、
その瞬間瞬間はすごく一生懸命なのですが
時間が経つと共に、全ては過去に押しやられて
こだわらなかったり、忘れてしまったりするのです。
その忘却のスピードは、日本人には理解できない早さなのです。
でも、こういう特性があるからこそ、
この長きにわたる艱難辛苦の難民生活を
柔軟に生き抜いているのだとも言えます。

ちょっと拍子抜けの、加藤と石川です。
でもやっぱり怖いので、プジャは必ずやってもらおうと思っています。
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アムチの見た悪夢


相変わらず、ひどい停電のネパール。

特にクンデ・ハウスのあるラニバン地区は、
ここ最近になって急激に宅地開発が行われた地区で
もともとインフラの整備が、整っておらず
地区への送電量が低く定められているのだそう。

だから他の地区よりも余計に
電気の争奪戦が激しくて
電気が来ても、最初の10分ほどで
送電のポイントが容量オーバーして発火し
その後、何日も電気が無い状態を繰り返しています。

そんな訳で、なかなか日本とネパールで
スムーズにやり取りが出来ない状態が続いています。

この様な状況にもかかわらず
今日はどうしても連絡したいことがあると
加藤がわざわざ街まで出て
ネットカフェから、電気のある時間を見計らって
Facetimeで日本の石川に電話を掛けて来ました。

その内容と言うのが…

もしかすると、文明的な社会に生きている人にとっては
本当に眉唾な話かと思うのですが
これはチベット人としては大真面目な話題なので
ブログをお読みの皆様に、どのように受け止められるのかと不安に思いつつも
チベット文化の一端をご紹介するつもりで、
勇気を持って書きます。

加藤が緊急に街まで出て
電話をしてきたその要件とは…

それは今朝早く、アムチが真っ青な顔で
クンデ・ハウスに駆け込んで来た事から始まります。
「不吉な夢を見た。飛び切り不吉な夢だ。何か不吉な事が起こるに違いない!」
と言うのです。

アムチの見た夢は、こんな内容だったそうです。
「TCPの全員が、地震で村が壊滅状態になった場所にいます。
 村の破壊度は本当にひどくて、建物は一つも残っていないばかりか
 そこに村があった事さえ、想像できないほどの惨状です。
 私達は、全員がひどく飢えています。
 あまりのひどい状況に、子ども達のうちの一人が、発狂してしまっています。
 そこへジャッカルが現れ、私達に生肉を施してくれます。
 飢えている私達は空腹に耐えかねて、その肉を食べるのです。」

ジャッカルが食べ物を持って来てくれるなんて
ちょっといい話?と思われるかもしれませんが
これはチベット的には、とても不吉な夢なのです。

『チベット死者の書』の中に、
「死の兆候を現す夢判断」というものがあります。
死が目前にある事を知らせる様々な夢の例が、
具体的に書かれています。

その中に、ジャッカル、サル、豚などの畜生が
生肉を持ってやって来るのは、とても不吉だと書かれています。
そして何と今回は、それらを私達が食べている夢なのです!
チベット仏教的には、こんなに不吉なことはありません。

実はアムチの悪夢は、これまでも現実化してきました。
それは一緒に過ごしてきたスタッフが、何度か経験してきています。
常に現実が、アムチの悪夢と同じように進行しました。
そして恐ろしい事に、そこにはあまりタイムラグが無いのです。

「アムチの夢、どう思う?お寺に頼んで、プジャ(祈祷)してもらった方がいいよね?」
と言うのが、加藤の緊急連絡の用件だったのです。

実は東京事務所の石川も
アムチの悪夢が現実になる場面に、居合わせたことがあります。
それは冷たい汗が、背中をどっと流れるような恐ろしさでした。
この時は、アムチが悪夢で目を覚まして数時間で、その予言が現実化しました。
何千キロも離れた場所で、その日に起こる事を
アムチは「不吉な夢」と言う形で、先に見ていたのです。

アムチはアムチになる履修の過程で
たくさんの仏教的な修行もしています。
いわゆる霊的な感覚も研ぎ澄まされていて
だからこそ、エネルギー的な霊体を含めた身体の
的確な診察が出来るのです。

これまでの経験から、アムチの悪夢を笑い飛ばすなんて事は
加藤にも石川にも、到底できない事です。

これだけならまだしも、
この後、起きてきたアチャ・イシ、タシ、チュインが
「昨日の夜、大きな地震の夢を見た」と言うのです!
果ては、エリ先生までが「実は昨日の夜、地震の夢を見て…」と話し
もうこれは、何か特別なことに違いないと確信するに至ったのです。

すぐにTCP代表の所に連絡して、「モ」を立ててもらい
プジャの相談をすることにしました。
「モ」はいわゆるチベットの伝統的な占術で
これによって、この悪夢を封じ込めるのに必要なプジャを選定します。

…こんなことを真剣にやってるのを
皆さんがどのように受け止められるのか
すこし不安に思うのですが、
こういう世界に生きているのが(伝統的な)チベット人なのです。

これまでもこのような価値観を、TCPは大事にしてきました。
(過去にはこんなことも→2012年12月5日ブログ「プジャ」
「肉体が生きている、合理的で目に見える世界」とは違う世界がある事を
子ども達にも、事ある毎に教えてきました。
この様な価値観の形成無くして、
チベットの伝統を受け継いだ人材とは言えないと思うからです。

モをたててもらった結果の続編、
また後日、プジャが行われましたら、
改めてお伝えします。

買い出し


バドバティーニは大手チェーンのスーパーです。
クンデハウスから数キロのところにも
まるで倉庫のような巨大な
バドバティーニの店舗があります。

この日は、ロサルの買い出しに
バドバティーニまで出掛けました。

学校が冬休みの子ども達
何人かが、ロサルの買い出しに同行してくれました。

買い物途中、何かいいものを見つけた様子の女子…
欲しいな…
「いいな~」と羨ましそう。
みんなの大好きな「アナと雪の女王」のお人形を発見。

でもそれは、無理!!
さ、さ、お買い物に戻りましょう。

写真を見て「ネパールってモノがあるじゃん!」と
思われる方も多いかと思います。
そうです、平時のネパールには、
インドや中国から運び込まれた商品が揃い
生活に必要な、大抵のものが手に入ります。
但し、品質はあまり良くないものも多いです。

写真に写っているような、人形だっていろいろあります。
但しこれらは、経済封鎖前に持ち込まれたものです。
今は、流通が限られていて、全てのものが値上がりしています。

たまのお出掛けの後は、ちょっとしたお楽しみ。
104537.jpg
ジュースを頂きました。

以前だったら「贅沢」だと思って
ジュースなど飲ませなかったものですが
ちょっと事情があって、最近は甘くなっています。

年末に体重測定をした際、
この1年でみんな身長は伸びたのに
2/3の子どもの体重が、去年と同じでした。
2名は体重が、2㎏も減っていました。
体重が増えなかったり減ったりしたのは
今回が初めてです。

スタッフはちょっとこの事にショックを受けています。
地震の後も、経済封鎖の後も
食べ物だけは不自由をさせない様に努力してきましたが
やっぱり物資が不足して、ツァンパばかりの事もあり
そうするとどうしても、子ども達の食欲は落ち気味になって
その結果は、ハッキリと体重として現れました。

エンゲル係数は上がっても、
育ち盛りの子ども達が楽しく食事が出来るように
工夫をしたいと考えています。

たまのお出かけの際に、ジュースを飲んだりと言うお楽しみも
少しは良いかな?と思うこの頃のクンデ・ハウスです。

カプセ作り


ロサル(チベット正月)は、2月9日。
新年に向けて、少しづつ準備を始めました。
まずはロサルの定番、カプセを作ります。

大量の油を火に掛けます。
種火から、火を薪に燃え移らせるのは一苦労。
運動能力抜群のペマが
その肺活量をフルに発揮して
火を起こしてくれています。
135125.jpg

揚げもの担当のダワと、お手伝いするタシ。
カプセ作り
最近のタシは、写真を撮ろうとすると
とってもおすましするか、
メチャクチャふざけた顔をするのか
どちらかです。
そういうお年頃なんですね(笑)。
でもよくお手伝いしてくれます。

色んなことがあったけれど
こうして無事に、新しい年を迎える準備が出来る事を
この上もなく、幸せだと思うチベットの年の瀬です。

ごちそうさま!


アムチが子ども達に
とっても豪勢にご馳走してくれました!

みんなの大好きなモモ。
ごちそうさま2
このお店、すごくモモが美味しいのです。

アムチのチベット予防医学室で
子ども達が熱心に製薬のお手伝いをしたので
ご褒美として、アムチがご馳走してくれたのでした。
ごちそうさま1
温かいモモは美味しい~。

物資不足とは言え、あるところにはあるものなのだと思う
今日この頃です。

最近は、闇での取引が定常化していています。
ガソリンは、スタンドでは買えませんが
闇取引で1ℓがRs350です。
地震の前には、Rs105でした。
経済封鎖の後は、Rs500で取引されていましたから
最近は少し値段が下がって来ました。

闇での取引がこのまま普通の事になると
モノの値段は数倍に上がったままで
生活は苦しくなります。

何とかこの状況を、政治的にしっかりと
解決して欲しいです…。

ともあれ、子ども達は温かくておいしいモモをたくさん食べて
とても嬉しい1日でした。

冬の夜


学校の試験も終わって、冬休みに入りました。
地震で学校が1カ月以上も休校したり
今年度の授業の予定は、かなり遅れているので
冬休みナシで授業になるのかな?と思ったのですが
しっかりと2週間の冬休みです。

子ども達、学校がないと
ちょっと暇そうです…。

お手伝いのペンバ
ペンバが夕食の配膳を、手伝ってくれています。

寒い夜
こちらはツェテン。
さすがにこの時期、朝晩は冷え込むので
パーカーのフードをかぶって、マフラーをしています。

電気事情は、どんどん悪くなってきています。
停電予定表によると、昼間は各日4時間程度、
電気が来る予定になってはいますが
ここ最近は、最初の10分くらいで終わる事もしばしばで…。

貴重な電気が来ると、みんなが一斉に電化製品を使うためなのか
通電のポイントが小規模な火災を起こすことがよくあって
そうなると、早ければ3時間ぐらいで修理が行われてますが
長いと、そのまま3日放置…みたいな事もあって
先週の金曜から昨日の夕方まで
一度も電気が来ませんでした。
とほほ…な毎日です。

電気が無くて、寒くて暗い夜が続くと、
スタッフのテンションは下がり気味になりますが
子ども達は、とても元気です。

登校前


登校前、スクールバスを待つ間
子ども達が、遊んでいます。
バドミントン2
木の板で、ボールを打ち合っています。
ボールを落さない様に打ち合うので
ルールとしてはバドミントンと同じなのですが
見かけはかなり違いますね。

バドミントン1
整った遊び道具が無くても、
工夫で補って、色々と楽しんでします。

試験中の子ども達、本当に良く頑張っています。
日中は電気が来ない代わりに、
夜中にまとまって電気が来るので
深夜の1:30の通電時間に合わせて起きて
勉強したりしています。

学業を頑張る事が
自分の未来を変えると知っているからこそ
頑張れるのです。

冬のカトマンドゥの朝は
東京と同じくらい冷え込みます。
でも、暖房器具はありません。
寒さの中、防寒着を着ながら
みんな勉強に励んでいます。
本当は暖かいお茶の1杯も
作ってやりたいと思いますが
薪調理の今は、そんな事さえままなりません。

地震や経済封鎖で、ますます未来は見通せなくなっていますが
いつかチャンスが巡って来て、
その実力が発揮できる場が与えられるようにと
心から願っています。

チベット薬


登校前、風邪なのか、
ちょっと咽の調子の悪いタシが
アムチのチベット薬を飲む様子。

チュイン「はい、口を大きく開けて~」
あーん
素直に従うタシ。

続いて、タチェンも。
あーん2
粉末なので、ちょっと飲みにくいチベット天然薬。
上手に飲めたかな?

製薬のお手伝い


男の子達は時間があると
チベット予防医学室で
アムチの製薬のお手伝いをします。

特に、アムチを目指しているタチェンは
熱心にお手伝いをしています。
製薬1
表情も真剣なタチェンです。

こちらは、製粉機に掛ける材料を
あらかじめ小さく砕いています。
製薬3

そしてこちらは、タチェンをまねて
製粉のお手伝いをしているフリのタシ。
製薬2
「僕もアムチを目指してるよ!」なんて言ってますが
タシの本当の夢はパイロットになって
里親さんに会いに行くこと。

色々とおふざけしながら作業しています。

試験


現在、ネパールの停電時間は13時間。
とは言っても、じゃあ残りの11時間、
電気があるのかと言うとそういう事でもなくて
まずは大体、通常の人が活動している時間に電気が来るのは4時間で
後は最初から深夜帯の通電割り当てになっています。

そして今深刻なのは、その4時間も
ロクに電気が来ない!という事なのです。

電気が来ないので、蓄電も出来ません。
例え電気が来ても、電圧が低すぎるので
蓄電もできないし、電燈はついても、電化製品は動きません。


子ども達の学校は来週から試験です。
タチェンの化学のノートを見せてもらいました。
タチェンのノート
色々と頑張って勉強している様子がうかがえます。

試験に向けて、みんな一生懸命、ろうそくの明かりで勉強しています。
ろうそくの明かりは、雰囲気はありますが、
手元を照らすには光が不足していて、
炎の近くに寄らないと、見にくいので
頭を寄せ合って勉強しています。

この光景を見ると、
こうまでして勉強したい意欲があるのに
電燈1つ灯すことが出来ない事が、
とても無力に思えます。

昨日、ダワは夜中の12時まで頑張っていました。
ダワは亡命してきた年齢が、他の子よりも大きかったので
学習適齢期にスムーズに勉強を開始できなかったためか
どうしても手順の理解や吸収に時間が掛るのです。
何倍も努力しないと、試験はパスできないと
本人も自覚しているため、こうして遅くまで頑張っています。

こういう努力がいつの日か
きっと実る日が来るようにと
心から願っています。

ひどい停電


毎年恒例のお正月の集合写真
31日に送ってもらうはずだったのですが
停電続きで、送信がままならず
本日になって届きました。

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改めまして、
「明けましておめでとうございます」。

ガスもガソリンも手に入らない今、
薪以外に頼りになるエネルギー源は電気。
しかしながら、誰もがそう思う現在
ましてや毎年、冬は酷い停電に見舞われるネパール
今年の停電事情は過酷です。

通電表にしたがって、電気が来ません…。
「やっと通電時間!」とウキウキした瞬間
10分で電気が終わってしまった時の落胆っぷりは
例えようもありません。

このまま薪調理をし続けて
森林伐採も気になります。
既にネパール政府は、
永久保存林にしていた地区の10%の木材を
伐採する許可を出したと聞きました。

森林伐採による、保水力の低下や、地盤の緩みなど、
今後、地震学的は必ず来ると言われている大地震の事を思うと
不安になります。

観光業が振るわない今
多くの若者が、以前にも増して外国に出稼ぎに行きます。
復興の道筋も見えない現在、これは仕方のない事ですが
若い人の流出は、どんどん国力を弱めてしまう結果になると思うのです。
どうしようもない現実に、多くの人の疲弊の度合いが
色濃くなって行くネパールです。

今年は何か、未来に希望が持てるような
明るい話題が出て来て欲しいと思います。

迎春


謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

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昨年は、ネパールにとって大変厳しい1年となりました。
明るい話題の少ない現状ですが
せめて気持ちだけは、常に上向きに、
たくさんの笑顔と共に、本年もTCPを運営して参ります。

新しい年が、いつもブログをご覧くださる皆様にとって
たくさんの幸せに満ちた、一年となりますように。
すべての生きとし生けるものにとって、
平穏で、喜びにあふれた一年となりますように。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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