アムチとデチェン。

何だか親子写真みたいです(笑)。
チュバを着て改まった服装のアムチ。
何故チュバを着ているのかと言うと
この日は、組合の集会があったからなのです。
今年、ナンチェン組合の副会長に選ばれたアムチ。
組合同士の集会には、さすがにチュバで出席しないとまずいだろう…と
同胞たちのアドバイスで、チュバを新調しました。
と言うのも、これまでアムチはチュバを持っていなかったのです!
正確に言うと、日本に行くために一度作ったのですが
そのチュバは、日本用に日本でスタッフが預かっているので
アムチには着て行くチュバが無かったのです。

がっしりした体格のアムチには、チュバがよく映えます。
チベット人の「組合」は、出身地ごとに分かれて組織されており
ネパールにはこのような組合がたくさんあります。
日本で言うと、県人会みたいなものです。
組合の活動とはどんなものかと言うと、
資金を出し合ってお寺の補修をしたり
老人ホームのお世話をしたり
サカダワの時、参拝者に無料で食事や飲み物を提供したり
ネパール大震災の時にはかなりの金額を被災者支援に寄付したりと
多岐にわたって活動しています。
特にアムチのナンチェン組合は、活発に活動しています。

せっかくのおめかしなので、子ども達と記念撮影。
TCPの他にも、こうして役員に選ばれて活動して
働き盛りゆえに忙しいアムチです。
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雨季に入ってから、
男子部屋の天井の雨漏りが、激しくなりました。
先月の様子がこちら。

7月の写真です。
バケツやたらいを置いて、しのいでいました。
天井を見上げるとこんな感じに…

ピンボケ写真ですみませんが
状況はお分かり頂けると思います。
イギリスに住んでいる大家さんに連絡を取り
早速、代理人の方に来て頂いて
補修の話をしたのですが、
「雨季の間は、修理は無理だね。じゃあ、雨期明けに」という事で
何の手当ても無いまま、一ヶ月…。
状況はさらにひどくなっています。

仕方がないので、男子は現在
スタッフ用の部屋で寝ています。

同じく2階にある他の部屋も
雨漏りが始まっており
とにかく早く、雨季が明けて
補修をお願いしたいと切実に願っています。
みんなで何を話していたのかな?
子ども達、いつも笑顔で楽しそうです。

会員サポーターさんや、ブログを見ていてくださる方々から
「クンデ・ハウスの子ども達、いつも笑顔が良いですね!」と
おっしゃって頂きます。
もちろん、
思春期に差し掛かった子ども達は
言う事を無視したり、ふてくされた態度を取って
スタッフに大いに怒られる事もありますよ(笑)!
でも、基本的には、
みんなのびのび楽しそうです。
何人かの子ども達は
親を失ってから、辛い目に遭ってきたからなのか
大人を信用せず、かたくなで、最初の数カ月は笑う事もなく
スタッフもどうしたのものかと心配しましたが
今ではそんな姿も懐かしく思う程に
笑顔がはじけて、本当に良かったなと思います。
こうして笑顔があふれる毎日を
サポートして下さる皆さんに
心から感謝しています。
「シラミ退治は永遠の課題」と言っても
過言ではないネパールでの生活。
色んな方法で対策しても
また学校でもらって来てしまって
なかなか手ごわいシラミなのです。
これまでも、梳き櫛、薬用シャンプー、ティーツリーオイルなどなど
色々と効果があるとされているものを試してきてはいるのですが
一定の効果は感じるものの、
やはり完全に除去することは難しくて
なかなか悩ましいシラミ問題なのです。
今回、お酢がシラミに効くと聞いたので
早速、シャンプーに混ぜて洗髪してみることにしました。
女子は全員で、テラスでシャンプー大会を開催。
黙々と髪を洗うペンバ。

お酢が目に入って「イタイよ~」と
おかしな格好になっているデチェン。

効果を高めるため、あわあわの頭のまま
外で1時間放置してみました。

流した後、仕上げにみんなでシラミチェック。

完全に退治することは無理でしたが
効果はかなりあると感じました。
地震以後、講師の先生が被災されて
ご指導いただく事が難しくなったため
1年以上も閉鎖中だった剣道教室。
この度、日本から講師の先生がみえることになり
教室が再開されました。
これに伴って、前々から
どうしても剣道を習わせて欲しいと言っていたカンドを
剣道教室に通わせることにしました。
剣道教室はこれまで全員が男子だったので
カンド一人ではどうかな?と思って
パワーと持久力のあるパサンも
剣道向きなのではないかと判断して
「一緒に行く?」と誘ってみました。
こうして女子2名も男子と一緒に
お稽古に通い始めました。
初日の稽古を終えた2人。
とても楽しかったそうです。
早速、帰宅後
チミを相手に、打込みの稽古をしました。

先に習い始めた男子との差を縮めたくて
自主練する2人です。

子ども達の大好きな剣道が再開されて
スタッフも本当に嬉しく思っています。
試験休みが終わって、学校再開!
かと喜んだら、1日登校して、バンダ(ゼネスト)。
結局2日、学校が休みになって
また1日登校したら、翌日から2日続けてバンダ。
もういい加減にして!!!!! と
これだけは怒りたくなります。
只でさえ、昨年は地震と経済封鎖で
ロクに学校の授業が出来なかったネパール。
やっと何とか平和な日々を少し取り戻しつつあるのに
そうなればそうなったで、今度はバンダ。
子ども達の授業日数がどんどん削られる割に
それを補填する処置もなくて…。
こんな事で、ネパールの未来は大丈夫なのか?と
不安に思うバンダの日々です。
実際、子ども達もバンダだと
外にも出られないし、暇なのです。

これは夕食後に、UNOをする様子。
もう宿題も終わっちゃったしね。
ご飯を食べて片付けたら、やる事が無くて…。

ちびっこチームのUNO。
学校に行って遊んだり勉強したりして
エネルギーを発散させないと
子ども達はパワーが有り余ってしまって
家で過ごす日々が続くと、男子はケンカをしがちになります。
今のところ、明日は登校の予定ですが
突然、休校になる事も多々あり…
明日は無事に学校に送り出したいです。
子ども達は、今も変わらず
アムチにお経を教えてもらっています。
尼僧だったアチャ・イシも、もちろんお経は得意で
長らく子ども達に指導してくれていていました。
アチャ・イシは、お経の出来に関して
そんなにガミガミ怒ったりしなかったのですが
アムチは、超スパルタです。
この日は男女に分かれて、お経のテストが行われました。
まずは男子から、指定された部分を暗唱します。
緊張のひと時…。

次の順番を待つ女子にも緊張感が走ります。
暗記の得意なヌモやカンドは、余裕の表情ですが
パサンは表情が沈んでしまっていますね…。
さて、次はいよいよ女子。

さてさて、上手に暗唱できるかな?
アムチの指導は本当に厳しいのですが
多分こうやって子どもの頃から何年もかけて
アムチ自身も、アムチだった父親からお経の指導を受けたのでしょう。
凍える様な寒さの真冬の朝5時に起床して
トイレにも行かずにびっちり2時間のお経の練習。
子ども達も、大変だったと思います。
そんな風に毎朝、お経を練習した数年間を経て
今ではどこに行っても、子ども達のお経は褒められます。
褒められることが自信となって
さらに精進する動機の一部になっている様です。
暑い季節になると、肌のトラブルが増えるクンデ・ハウス。
現在「とびひ」が流行っています。
伝染性の症状は、どうしても学校でもらって来てしまい
なかなか予防も難しいです。
時には、クンデ・ハウスの中で、感染が広がって
ひどい状況になってしまいます。

痛々しい、とびひの足…。
膿が出るので、ガーゼで押さえています。
今回、感染したのは、
チュイン、デチェン、パサン。
デチェンはもともと、肌症状が出やすいタイプ。
パサンも同じく、肌が弱くて、症状が悪化しやすいタイプです。
チュインはとびひが、頭や鼻の穴にまで感染して
とても痛がっていて可哀そうです…。
髪の毛の生えている地肌や、鼻の中は
手当も難しいので、なかなか治らず苦労しています。

薬を服用して日が経つので、
これでも随分良くなってきました。
3人はとても痛々しい姿なので
早く良くなるようにと、手当に励んでいます。
子ども達の学校の試験が終わって
1週間の休暇が始まりました。
そこで、クンデ・ハウスはお掃除祭りを開催!
あっちこっちも、隅々まで
普段、掃除の行き届かないところを
色々とお掃除しました。
例えば、キッチンのレンジフードの上やら
窓の桟の上の部分など。

写真が逆光で見にくくなってしまいましたが
あらゆる部分、上も下も、普段は見逃してしまう部分を
徹底してお掃除しました。

最後の仕上げに
ペマが砥ぎ石で、包丁を丁寧に砥いでくれました。

これで一層、食事の準備も捗りそうですね。
日本の皆さんは、夏休み、お盆休みを迎えていらっしゃるでしょうか?
今年の夏は、例年よりもさらに猛暑の様子の日本。
どうぞ、お身体お大事に、お疲れの出ない様になさって下さい。
制服のシャツのボタンが外れてしまったので
お裁縫の道具箱を出してきて
リビングで、ボタン付けをしているペマ。

上手にできたかな?
こちらも、ボタンを付け直すタチェン。

「自分の事は、自分でやる」方針のクンデ・ハウス。
スタッフの人手も足りませんし
どんな状況に置かれても生きて行けるようにと思って
生活全般に於いて、子ども達に仕事を分担しています。
お蔭で、放っておいてもこの通り
男子も自分でボタン付けをします。
・安全に生活できる事、
・今日の食べ物に困らない事
・学校に通える事
日本にいると当然と思えるような事ですが
世界を見渡すと、たったこれだけの事が叶わない国や地域が
たくさんあるのが現実です。
制服のボタンを付け直すという事は
明日も学校に通えるという事です。
本当にしみじみ、こんな毎日が
かけがえないく、ありがたい事だと思うネパールです。
そして何よりもこうして
それらの一つ一つの事を
子ども達が本当に楽しそうにやっているのが
とて素敵に思えて
笑顔のボタン付け写真をUPしてみました。
いよいよ、リオオリンピックが始まりますね。
今回、五輪としては初の
「難民五輪選手団」が結成し、注目されています。
国際オリンピック委員会(IOC)が承認した難民五輪選手は、
男子6名、女子4名。
IOCが今年3月2日にローザンヌで開かれた理事会において
「難民五輪選手団」の派遣を最終決定し
その中には「206カ国・地域の選手団と同じ扱いを受ける」と
定義されていますが
色々と調べてみるとあくまで難民としての扱いなので
ユニフォームも特定の国を現さず
仮に表彰台に登ったとしてもそこでは
国歌の代わりに五輪賛歌が使われるのだそうです。
国旗の掲揚も多分、五輪旗とかになるんでしょうね…。
代表の10名は、陸上、柔道、水泳の3種目に参加するのだそうです。
出身国を見てみると、
南スーダン5名、シリア2名、コンゴ2名、エチオピア1名。
興味が湧いたのでちょっと調べてみました。
果たしてIOCが定義する「206カ国・地域」とは
どこなんだ?という事を調べてみると
国連加盟の193ヶ国全てと、国連加盟国以外の13の地域。
国連加盟以外の13の地域ってどこなの?と見て行くと、
台湾、香港、サモア、グアム、プエルトリコ、
アメリカ領ヴァージン諸島、イギリス領ヴァージン諸島、
バミューダ諸島、ケイマン諸島、アルバ、クック諸島、
パレスチナ、コソボの13。
ヴァージン諸島がアメリカ領とイギリス領に分かれて承認されている辺り
いろいろ植民地の歴史や、政治的なややこしさを
醸し出している雰囲気です。
グアムも独立した地域として承認されているので
グアム出身の選手は、アメリカ代表ではなくて
グアム代表になるんですね。
じゃあ、チベット人選手がチベットの代表として
オリンピックに参加する可能性は?と考えて見ると
チベットは独立国であった歴史的な資料が様々に存在するにも関らず
独立していた時に国連に加盟していなかったため
国連から国として承認されておらず
また独立した地域としての参加も現在では
世界のパワーバランスから考えると非常に厳しい状況なので
残念ながらすぐには叶えられないと思われます。
難民と言ってもその経緯は様々で、
実態としては難民であるにもかかわらず
政治的な圧力で難民ではないと扱われる方も
たくさんいるのが実情なので
この「難民五輪選手団」の派遣を切っ掛けに
難民に対する興味や理解が深まる事を期待したいです。
開会式では、難民五輪選手団は
開催国ブラジルの前に入場するそうです。
開催国は最後に入場するので
つまり入場国の最後から2番目という事になります。
戦争や迫害からから逃れるため
祖国を離れ難民となるしかなかった
その想像を絶する苦難にも負けず
こうして自分の能力を鍛え上げて
オリンピックの切符をつかんだ選手の皆さんを
深く尊敬しています。
それぞれの選手が、存分に活躍できるように願い
心から応援したいと思います。
クンデ・ハウスで一番年少のペンバ。
どんな学習の習熟度合かチェックするため
ノートを見てみると…

ノートにオリジナルの表紙を描いていました。
よく見てみると、日本語で
「ぺんば」と書いています。
多分、このピンクの洋服の女の子が自分なのだと思います。
横にはネコもいます。
下の方には、池も描かれています。
池の中に蓮の花が咲いているのが
何ともチベットっぽいですね(笑)。
クンデ・ハウスのほぼすべての家事は
もう何年も前から、子ども達の分担制です。
2週間ごとに担当をローテーションしています。
こちらは洗い物担当のペマとペンバ。
外の水場で洗い物をするのですが
夕飯の後は、暗がりの中で洗い物をしなければならず
ちょっと大変です。

こちらは、番犬チームのお世話係のカンドとチュズム。
朝晩のエサの準備と、エサやりをしてくれます。

こちらも電気のない夜は
暗がりでの作業…。
贅沢は言えないけれど、でも、でも
もうちょっと電気があるといいな…と思うネパールです。