現在、チベット暦では4月のサカダワ月。
この月の15日(満月の日)は
お釈迦様が生誕し、成道し、涅槃された日とされているので
チベット人にとっては、とりわけ重要な日なのです。
またサカダワ月の間は
肉食をつつしみ、善行を行います。
クンデ・ハウスでも時間が空けば
出来る限り、みんなでスワヤンブナートをコルラしています。

昔はコルラに出掛けるのはちょっとしたイベントでした。
以前は、子ども達だけの外出を禁止していたこともあって
みんなでお出掛けするだけで、盛り上がったものです。
時にはアムチが、
お茶やアイスをご馳走してくれる事もあったりして
とてもはしゃいだものですが
時間とともに子ども達も成長し
思春期の年長チームは、かなりコルラが面倒くさそう…。
「え~、何で行かなきゃいけないの~」
何でってそれは、チベット人だからです!!
ひとしきりごねつつ、コルラに出掛けます。
思春期とは言え女の子だから、
まだ一緒に来てくれるように思いますが
これが男子だったら、本当に行かないで終わってしまうのかな?
一緒にコルラできなくなったら、ちょっと淋しいけれど
でも確実に、子ども達が成長している証なのだと
受け止めることにしようと思います。
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いつも使ている木製の机
これまでは長らくダイニングで使用してきましたが
新しくダイニングの大きなテーブルを頂いたので
これまでの木製の机は、子ども達の勉強机になりました。

お天気の良い日に、早速お手入れ。
ラッカーを塗りました。

一緒に使っている椅子にもラッカーを。
細かい事にも目が行くカンドが
椅子の下に入り込んで、全面に塗装してくれています。
乾いた面を下にして裏面を塗るという手もありますが
一挙にし上げたくて、乾燥を待てなかったみたいです。
クンデ・ハウスの庭に
とてもきれいに花が咲きました。

真っ白いカラーが一輪。
白い花弁のように見える部分は
実は花では無くて、苞(ほう)と言うのだそう。
本当の花は、真ん中の棒状の黄色い部分だそうです。
サトイモ科の植物だと、調べて初めて知りました。
サトイモからはあまり想像がつかない可憐な花ですね。
流れる様なラインが本当に美しいです。
きれいな花が咲いて嬉しい子ども達です。
登校前、子ども達はエリ先生に
身だしなみのチェックを受けます。
「ラクパ、爪は伸びていないかな?」

こうして一つづつ
クンデ・ハウスの生活習慣を身に着けているラクパです。
さて、私は誰でしょう??

正解は、ツェデン。
おふざけしているのではありません。
最近、全身が皮膚トラブルに見舞われているので
薬をぬり終わった姿です。

何だか白塗りになってしまって可哀そう…と思いましたが
本人は全然気にしていない様子です。
選挙で学校がお休みだった先週。
選挙中は治安も悪くなりがちなので
自由に外出もできないし…。
そんな休日は、アムチの診療所のお手伝い。

天然薬の薬剤の原料を展示している棚を
お掃除してくれている、チュズムとデチェン。
一つ一つ、ガラスの瓶をきれいに拭いてくれています。
昨日、5月14日はネパールの選挙投票日でした。
ネパールでは、実に20年ぶりの統一地方選挙で
市長、村長や地区責任者など、合計約37,000人の議員を選ぶ
大規模な選挙です。
このため、子ども達の学校は8日から1週間、お休みになりました。
特に投票日の前日、当日は
投票に絡んでどのような事が起こるか予測できないので
不要の外出は控えて、家で過ごすようにしました。
異例の選挙休み…
学校が大好きな子ども達にとっては
何とも残念な休暇です。
外出もままならないし
でも体を動かさないと子ども達はパワーが有り余ってしまうし…
と言う事で、エリ先生が
ヨガとストレッチを指導して下さいました。

じっくりと身体を伸ばします。

腹筋が無いと、角度をつけた足上げは辛いですよね…。

本当は思いっ切り外で体を動かしたいところですが
この1週間は、活動範囲の狭い毎日でした。
スタッフが小学生だった頃は
学校であやとりが流行っていました。
今も日本の小学生は、あやとりをするのでしょうか?
クンデ・ハウスで一番あやとりが大好きなのはデチェン。

「ほうき」を作って見せてくれました。
あやとりは日本発祥の遊びかと思っていたのですが
今回、あやとりにつてUPするにあたって調べてみたところ
そうではないのですね。
国際あやとり協会のHPを拝見すると
世界のいろいろな場所であやとりは伝承されていて
発祥の時期や地域の特定は出来ないみたいです。
エリ先生が、子ども達に
日本語の本を読み聞かせして下さいっています。
この日、読んで下さったのでは『けんかのきもち』。

最近、年少のツェテンは何かと怒りがち。
怒りの気持ちが心にあると、ちょっとしたことが気に障って
ケンカに発展してしまいます。
そんな訳で、日本人補習校からこの本を借りてきて
読み聞かせをしてもらいました。
この絵本は、どうしてケンカになるのか?
などの原因を追究したりはしてないし
ケンカをいけない事とも言っていません。
ただただ、主人公たい君の気持ちが綴られています。
ケンカをする発端となった怒り、
その後に押し寄せてくる悔しさ、情けなさ、
それらがとても迫力のある絵と共に綴られています。
この本を読み聞かせしたからと言って
すぐに「お友達と仲良くしなければ!」と思う風に
考えを改めると言った類の絵本ではありませんが
けんかの気持ちはそんなに長くは続かないと
教えてくれる絵本です。
年長女子たち、
身長も伸びて本当に大きくなりました。

今、一番身長が高いのは、カンドです。
現在162㎝。
まだ成長中です。
次に背が高いのは、パサン。
現在161㎝。

こちらは年中チーム。
昔は、ヌモ、イシ、クンサンが同じくらいの身長でした。
何故かヌモだけは、他の2人に比べて
身長が伸びるスピードが少し遅くて
ついに、チュゾムにも追いつかれてしまいました。
ヌモにもいつかグーンと伸びる時期がやって来るのかな?
ちょっとだけ自分の身長が気になっているヌモです。
この度、クンデ・ハウスに
新しいメンバーを迎えることになりました。
ラクパ・センゲ 5歳です。

両親と兄弟で暮らしていた村が、
ネパール大震災でほぼ全壊の状態となり
その際に家族を全て亡くしました。
震災以後は孤児として、寄宿学校(かそれに似た施設)に預けらましたが
いずれも長期でなく、数回にわたって様々な施設を転々と移動させられた後
最終的にアムチの友人の僧侶を通して、TCPへの引き受け要請がありました。
震災後、これまで転々として来た各施設での引き受けは
外国からの寄付などで賄われていたと推察されるのですが
この春でそれらの資金が尽きて、同じ境遇の子ども達が
一斉に行き場を失っている様子です。
クンデ・ハウスにも6名の孤児の引き受け要請がありましたが
小さな組織ですので、養育の人数にも限界があり
身元調査と数回の面接の後
緊急性が高いと判断した男児1名を
新しくクンデ・ハウスに迎える事になりました。
震災の復興の道のりはまだまだ遠く
時間の経過とともに
保護者を失った子ども達の境遇も悪化しています。
そんな子ども達を見る度に
「何とかできないか…」と思って心が痛みます。
クンデ・ハウスの児童の受け入れは
その子の人生を丸ごと引き受ける大きな決断です。
また一つ大切な命を養育する責任感に
身の引き締まる思いです。