建物の被災度調査 3日目


滞在3日目。
今日も6時に起床し、子ども達と朝ごはん。
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イチとリュウも、朝ごはん。
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子ども達がお待ちかねの里親さんからの手紙と、
アトリエFunのお友達からのお手紙、
その他サポーターさんからお預かりしたお手紙を、子ども達に。
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特に里親さんからのお手紙は嬉しいもの。
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大はしゃぎ。

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タチェンは一生懸命、里親さんのお手紙を読んでいる。



今日の建物診断は、歩いて物件まで行ける範囲にある。
この日も午前中、特定のエリアの建物を何軒もチェックさせてもらうが、
非常に悩ましい問題が…。

診断の依頼を受けた建物自体は、建築的に無傷で問題がないのに
そのお隣の建物が、被災して傾いている事例が多い。

許可を得て、お隣の建物にも入らせて頂く。
残念ながら、1階の被災度が高い状態。
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こんな風に「X」形に壁にひびが入っている建物は、危険。
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家自体が、傾いてきている。
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写真では分かりにくいが、
右の家が無傷で、左の家が損傷し傾いて来ている。

夜だけは外のテントで寝ているそうだが、
昼間は今もこの建物の中で生活していると言う。

今後の余震を考えると、すみやかに他の建物に移って欲しいが、
経済的な問題や家族の事情で、
そんなにすぐには転居できない方も多いわけで
そうすると危ないと分かっていながらも留まってしまう現実。
技術者として判断した結果よりも、
現実的な日々の生活を優先させることに、
口をはさむ事は出来ない。
危険を取り除く根本的な解決法を示す事など不可能なのだが、
それでも傾き始めた家を前に、
何もできない事にはどうしても無力感を感じる。
せめて地震や余震が来ないでくれればと思うが、
そんなことは学術的には期待できない事も知っている。
やるせなさが募る。

このエリアは地盤があまり良くないようで、傾いて隣家に接触している例が
数多く見受けられた。

こちらの家は既に、ビー玉がスピードを上げて転がるほどの傾き。
きっと地震の前から少し傾いていたのだと推測するが、
地震後は以前にも増して、傾きがひどくなった様子。
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こちらの家も、傾いて接触している。
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こちらの家も、3階の屋根が
隣家に接触しそうなほど傾いている。
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建物自体に問題がなくても、一度傾き始めた家は、
家自体の重さと地盤の悪さで、例え地震が来なくても、
今後さらに傾きがひどくなる可能性がある。
今後の注意点に関して、色々とお話をさせて頂く。

根本的な対策が打てないだけに、残念で仕方がないものばかり。

建物をチェックしていると、ご近所の方々からもお声掛かり
時間の許す限り、個人の住宅を回らせて頂いた。


昼過ぎに移動し、ダラハラとダルバール広場へ。
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レンガ積みの塔のダラハラは、
個人的に建築的な観点からは絶対に上りたくない建物だったが、
観光スポットとして人気があり、いつもネパール人で込み合っていた。

崩壊したレンガは既に片付けられていたが、
誰もがこの場所では、押し黙ったまま。
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もしまた復興されるという事であれば、是非、
日本かどこか技術を提供してくれる国が
サポートしてくれることを切に願う。

歴史的な建物群が、
独特の雰囲気を作り出しているダルバール広場は、
報道された写真だけを見ると壊滅したかのように思えたが、
大型の建物等は被災しながらも残っている。
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シヴァ・パールヴァティー寺院は、
シヴァのご加護で難を逃れたなどと言われているが、
実際は原型をかろうじて保っている状態で、
被災度は非常に高い。
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次の大きな余震が来る前に、
一刻も早く倒壊しないだけの補強をして欲しい。
個人的にはユネスコが資金を調達して、
何とかしてくれないものなのだろうか?などと思う。

大型のブルトーザーでガレキをよける。
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実際はガレキと言うには忍びない、歴史的な建物の一部。

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無造作にブルトーザーを動かしているため
シヴァ・パールヴァティー寺院を
傷つけたりしないかと、ドキドキしながら見守った。

ダルバール広場から、アサンチョークヘ。
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ダルバール広場から北に抜ける小道は、かなり被災度が高い。
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随所に倒壊した、あるいは倒壊しかけた建物が見受けられる。
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「今、地震が来たらどう身を守るか?」
常にそんなことを考えながら、足早に通りを抜ける。
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余震から12日が経ち、アサンは半分程度の店舗が営業をしていた。

タメルも本当に人が少ない。
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地中の配管が壊れてしまったらしく、道路が掘り起こされていた。
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一度クンデ・ハウスに戻り、夕方改めて、
スワヤンブナートの近くにある学校を訪問した。
被災度のチェックとまでは行かないが、
友人から紹介されたとある日本の方に、
この学校の状況を見て来て欲しいと頼まれたのだ。
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階段室のクラックが激しい。
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学校として、このまま生徒を通学させるのは難しい状況。
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教室内にも、たくさんのクラックが。
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校舎はほとんどが被災していて、
これだけの規模を立替となると相当な資金と時間が掛る。
その間、生徒たちはどこで勉強をするのか…
目前に迫ったネパールの一斉学校再開日を前に、
様々な事が頭に浮かぶ。


3日間の予定をすべて終えて、クンデ・ハウスへ。
そこには素敵なサプライズが。

アチャイシは、飛びきり美味しい
2種類のモモを作って待っていてくれた。
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特にチーズの入ったべジモモは絶品。
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子ども達も手伝って、たくさんのモモを作ってくれた。
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夕飯が終わると、リビングのお勉強ボードが裏返されて、
そこにはこんなメッセージが。
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「HAPPY BIRTHDAY TO YOU」

滞在中に誕生日を迎えた石川に、子ども達がお誕生会を開いてくれた。
手描きで作られた、こんな立派なプログラムが。
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パーティー用の素敵な帽子も準備されていた。
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日本語演劇、英語演劇、日本の歌、チベットの歌、
それにファッションショーまで、とても盛り沢山な内容のプログラムは、
全て子ども達が企画し、練習し、この日に向けて準備してきたとの事。
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全編日本語の演劇は「かさ地蔵」。
忘れかけていたストーリーを思い出し、
心打たれる名作昔話に、しみじみ。

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ちいさな子ども達のグループも、
英語で演劇をしてくれました。
とにかく可愛い!

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こちらは、英語劇。

チベット語の歌は、「母の歌」。
日本語の歌は、「やさしさに包まれたなら」。

男子チームによる、ネパールの民族衣装のファッションショーも。
これが何と、女装のファッションショーで
みんなお化粧をアチャイシにしてもらって、
可愛く踊ってくれました。
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素敵なケーキも!

これだけの事を、企画してやり遂げる成長ぶりに
驚き、そして感謝。
観音菩薩様も、サポーターの皆さんも
TCPを見守って下さるすべての存在に
心から御礼を言いたい。

短い滞在ではあったが、こうして無事に
当初の建物調査の予定を全てこなして
帰国の途に着いた。

ひとまずTCPの建物の被災度合いが軽微であり
そのことに関しては、安堵した。

ただネパール全体の被災度、
特に山岳部の奥深い地区などは
村が丸ごと消滅してしまったところもある。
アムチの医療支援の報告写真を見ても
本当にそれはひどい状態で、言葉を失う。
どんな道筋でなのか、今はまだ見えないが
人々の傷が癒えて、様々なものが回復し
再び、あの穏やかなネパールを取り戻す日が
必ず来ると信じたいし、祈りたい。
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