新しい出発


先週末のことです。
土曜日の夜(1月30日)、クンデ・ハウスに一本の電話が入りました。

それは、一昨年の12月に
ツェリン・ドルジェをクンデ・ハウスに連れてこられた
お坊さんからの電話でした。

「ドルジェの兄が、修行先の僧院で急逝したため、
 代わって次男であるドルジェを僧院に入れるので
 明日、引き取りに伺います。」

あまりに突然の申し出に、スタッフはご返答できずにいました。
急な出来事に困惑し、ただただ驚くばかりでした。


ドルジェがいなくなる?!


こんな事態が起こるなんて、全く想像もしていませんでした…。



翌朝、

電話をされたお坊さんが、引き取りに見えました。
「ドルジェを僧院に入れるのは、お母様とご親族で決定されたことです。」
そうおっしゃいました。

現地スタッフは協議の結果、この状況において
TCPとしてドルジェの引渡しを、お断りすることは出来ないと判断しました。

長男に代わって僧院に入れるという明確な理由があり
それは、チベット人の考え方に照らし合わせて非常に自然なものであり
何よりもこれが、
本土に単身で生活されているお母様の希望だということであれば
ドルジェを引き止めることは、出来ないと判断したのです。


ドルジェは少し泣いていましたが、
最後にはみんなに「さようなら。」とご挨拶し
お坊さんに手を引かれて、クンデ・ハウスを出発しました。


ドルジェはチベットに戻り、故郷の僧院に入るようです。
ただひたすらに、国境を無事に越えてくれることを祈るばかりです。

今後もドルジェの足取りについて、できる限り情報収集しますが
チベット本土に帰るとなると、こちらから連絡を取ること自体が
ドルジェや僧院の危険を増やすことも考えられますので
その点についは、充分な配慮をしつつ、進めて参りたいと考えています。

全く予想もしていなかった状況に、スタッフは動揺しました。
しかしドルジェを僧院に送り出したことは、
間違った判断ではなかったと思っています。

クンデ・ハウスで過ごした1年間は
充分な食事に満たされて
ドルジェの小さすぎる体を、少しでも健康にすることに役立っていた…
せめてもそう思いたいです。

小さな体で背負うには、
またしても大き過ぎる環境の変化ですが
仏門に入るからには、修業に専念し
立派なラマになって欲しいと願っています。

ドルジェの体が、どうか健康でありますように。
その人生に、たくさんの祝福が与えられますように。


ドルジェ

ずっとずっと、大きくなるまで
その成長を見守れるものだと思っていたので
淋しさは否めませんが
これは、ドルジェの新しい出発なのだと思っています。


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