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外国人旅行証


チベット自治区には、外国人が自由に観光できる「開放地区」と
中国当局の許可なしには入域できない「非解放地区」があります。

この「非解放地区」に入域する幹線道路には
この様な看板が立っています。
P1010163.jpg

この看板を見て、心臓がドキドキしました。
なぜって、「パーミットを持たざる外国人、入域すべからず。」と書いてあるのに
パーミットを持っていなかったからです。

いえ、何も当局に盾突いてパーミットを取らないのではないのです。
パキスタンから中国に入国し、カイラス経由の南ルートで東を目指すと
パーミットを取る役所がないのです。

致し方なく、パーミットを発行してくれる公安のある街まで
数千キロを、パーミット無しで進むしかありませんでした。
外国人とバレる訳にはいきません。
地味な服装で、中国人たちにまみれ、押し黙ったまま旅をしました。

緑色の公安服におびえながら過ごす毎日は、とてもストレスでした。
違法な入域を阻止するため、検問の数が毎年増えています。
検問のたびに、公安が車の中まで調べます。
何か話しかけられないかと、ドキドキです。

ちなみに、途中の検問で外国人だと発覚すると
500元(2005年当時)を罰金として徴収され
非解放区に入域前にいた街まで、送り返されます。
そのとき、チベットがらみの何か(チベット国旗やダライ・ラマ法王の写真など)を
持っていようものなら、即国外退去です。

素性を隠して旅すること1週間、やっとパーミットを発行する公安のある街に着きました。
公安に出頭し、違法旅行の罰金を支払い、許可証を申請しました。
何とその公安の窓口の担当者はチベット人。
「よくここまで、(見つからずに)無事に来れたね。」と
控えめな感じではありましたが、歓迎してくれました。

そして手にしたパーミットがこちら。
P1010169.jpg
「外国人旅行証」(Aliens' Travel Permit)   withキョロちゃん


無事に取得できた嬉しさで、宿の小姐
(シャオジェ:未婚女性・若い女性に対する敬称。この場合は宿のスタッフのこと)に
何度も見せびらかして自慢しました。
(↑結構、あさはかなワタクシです…恥。)
しつこく旅行証を見せる私に、毎回「よかったね♪」と微笑んでくれる美人の小姐 。

小姐 は漢民族の出稼ぎです。
辺境の地に出稼ぎに来ている漢民族の人たちは
みんな優しくて素敵な人達でした。
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