先週、デチェンとツェテンは
ともに風邪をひいてしまって
学校をお休みしました。
少し体調が良くなったら
途端に暇を持て余して
アムチの部屋でテレビを見ています。

デチェンはこれまで
ほとんどテレビを見たことがない様子で
食いつくように見ています!
見ている…というよりは、「凝視」です。
最初はちょっとTCPの様子をうかがっていたデチェンでしたが
最近は、スタッフの顔を覗き込んで
視線を合わせてニッコリとしたり
本当に良く笑うようになりました。

TCPの敷地では、日中、
ほとんど犬を放し飼いにしています。
犬たちは新入りのデチェンを
まだメンバーとして受け入れていないのか
軽くではありますが、
いつもデチェンに近寄って噛みついてしまうのです(涙)。
そんな時、男子で一番小さなツェテンが
デチェンが何とか噛まれないようにと
その小さな体を張って、守るのです。
まるでその様子は、騎士のように凛々しく
でもとっても愛らしいのです。
デチェンが外へ行く時には、
いつもツェテンが、護衛として
手をつないで出ます。
TCPに来る子どもたちの多くが
最初は人、特に大人を信用しない態度を見せます。
決して人前では泣かず、
泣くときも隠れて、壁に向かって声も立てずに泣き
自分の事は、何でも自分で解決しようとします。
不平や不満も、全く言いません。
決して精神が自立しての事ではないのです。
ただ、そのようにしないと、足手まといと思われて
自分の未来がなかったからです。
だれも真剣に、自分の事など
心配してくれなかったからです。
でもこうして、
小さな体でツェテンが必死にデチェンを守り
子ども達がお互いを助け
スタッフは、安心と安全な生活環境を整えて愛情を注ぎ
だんだんデチェンの心がほぐれてきました。
「自分には大切にされるだけの価値がある」と
自覚できたとき、表情も、行動も変わってきます。
クンデ・ハウスの子ども達だけでなく
全ての子どもが
大切にされるべき存在であることを
充分に理解できている世の中であって欲しいと思うのです。
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